Nussygame 2016年の反省会

2015年の反省会


今年も、皆様には大変お世話になりました。

「個人でゲーム作って食っていく」という事は、要するに自分の作ったゲームの広告や売上で生きていくという事で、Nussygameのゲームをプレイする皆様に養っていただいているようなものです。本当にありがたく、この恩を2017年にはさらにより良いコンテンツ制作で応えたいと思っています。

2016年は多くの反省点と、多くの成長がありました。今回は、反省点とそれによって得られた教訓を簡単にまとめてお届けします。

  • DeckDeDungeon2の順調な滑り出しと急降下
  • B10の迷走、継続の危機、そして原点回帰
  • 細かな調整で生まれ変わった”B2”
  • 2016年 決算
  • 2017年は…!? ちょっとだけ

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DeckDeDungeon2の順調な滑り出しと急降下

DDD2はとても評判良く好調な開幕ができましたが、一方でその後の運営には大きな問題がありました。特に大きかった問題は、以下の3点です。

  • カードバランス調整頻度の多さ
  • 複数回のシステム大幅変更
  • 追加コンテンツの奥行きの狭さ

どなたかに、「早々にDDD3を作ってしまえば良い」とまで言われましたが、今振り返ると確かにそう判断した方が確実に良いと言える状況だったと思います。

今年1月当初は、DDD2のかなり偏ったバランスとゲーム性をどうにか「良いものにしよう」と躍起でした。「今のDDD2は理想的な状態ではない、不本意な状態」「もっと面白く出来る余地がある」「早く直して、早く良いゲームにしなくては」。しかし、逆にこの「猛烈な勢いでゲームの内容が変化していく状況」が、多くのユーザにとっては「嬉しくない」という事を、十分に理解していなかったのです。

アクティブユーザは、2月以降に急激に落ちていきました。いろいろなプロモーションやイベントも行いましたが、多くの方が、「最新のDDD2を追いかける事」に、疲れてしまったものと思われます。

今、より良い方法を考えるとすれば、まず問題点を全て洗い出し、それらを全て包括的にカバーした「DDD2 v2.0.0」の開発を行い、ゲーム性・バランス・コンテンツ深度の問題点を大型アップデート1回で全てをいっぺんに改善すべきだったのでしょう。

DDD2の教訓は、「たとえ現状が理想とは程遠くとも、すぐに変えてしまう事がプレイヤーにとって常に最善ではない」という事でした。この教訓は、現在のBuriedbornesで活かされています。


B10の迷走、継続の危機、そして原点回帰

DDD2の大きな更新は、夏前には停止しました。前述の問題に気づき、これ以上細かな改善を繰り返してもユーザ流出を止められず、またすでに流出したユーザを取り戻す事はできないと考えたからです。

そこで、B10の開発を開始しました。

B10は、B100シリーズの要素を受け継ぎつつ、ストーリー性と、これまでにない育成要素を兼ね備えたタイトルを開発するために着手しました。

しかし、結果的にB10も成功と言えるタイトルにはなれませんでした。

リリースを焦っていたため、調整も不十分なままにリリースしてしまったため、2周目以降のゲームプレイのバランスが崩壊してしまい、ゲームとして長く楽しめるものに仕上がっていませんでした。単純に、「飽きやすい」ゲームになっていました。

ゲームシステムとしては、ブラッシュアップ次第でB100Sよりも面白いゲームになりえたのに、調整を疎かにしたために、それら全てを無駄にしてしまったのです。

B10の教訓は、「どんなにいい素材でも、最後の味付けで失敗したら駄作になる」という事でした。

B10リリース後、収益状況はかなり逼迫していました。もうあと数ヶ月程度しか残高も保たない。次の一手でどうにか出来なければ、もう就職するしかない。まだもう少し、子供が大きくなるまでは続けたいが、こればかりは背に腹は代えられない…

そうして、「このタイトルで駄目なら個人事業主を辞める」と、最後のタイトルになる覚悟で臨んだのがBuriedbornesでした。


細かな調整で生まれ変わった”B2”

Buriedbornesは、10年近く前にohNussyが開発したブラウザゲーム「B2」のリメイク作品です。(Buriedbornesというタイトルは、”B2”と略せる1語あるいは2語かつストーリー・ゲーム内容を想起させられるものを考えて作ったohNussyの造語です)

「最後のタイトルになるかもしれないなら、一番思い入れのある作品の正統続編を」と、このタイトルの開発を選びました。

本作も初めは順調とは言えない仕上がりでした。ベータテスト開始時点では、Buriedbornesにはまだ大事なたくさんの要素が欠けていました。

  • リロールがなかった
  • 交換スキル切替がなかった
  • 「逃走」がなかった

βテスト期間はおよそ1~2週間ほどで、その間に非常に多くのフィードバックをいただき、現在の「リロール」等のたくさんの機能・改善が準備され、Buriedbornes v1.0.0は「確かな面白さのコア」を持った状態で世に出ました。

問題点はいくつかありましたが、早期のアップデートで改善され、ゲームとして致命的な状態に陥る前の立て直しが出来ました。その後、たくさんのレビューサイト等に取り上げられたおかげで一気にユーザ数は伸び、おそらく明日には、10万ユーザを突破する見込みです。

「たとえリリースを遅らせてでも、必要なら十分に調整するまで作る」というのは、全てのものづくりに適用できる考え方ではありません。ただ、モバイルゲーム市場という「ユーザ移動の多い」環境では、「最初のツカミでユーザの心を掴まえられない」事は、「永遠に掴まえられない」事になります。無数のエンターテイメントに溢れた現代では、ユーザはすぐにでも飽きて他のコンテンツに移ってしまうので、「最初のツカミ」がものすごく重要なのです。

とはいえ、こうした調整が高い精度で仕上げられたのも、積極的で熱心なフィードバックをいただいたベータテスターの皆さんのおかげでした。本当にありがとうございました。そして、「運の要素が強すぎて自分で選択できる余地が少なすぎるのではないか」という、「リロールシステム」を生んだフィードバックをくださったT叶さん、ここでお礼をさせていただきます。

この仔細な感想がなければ、リロールシステム発案までには至らず、そしてこのシステムがなければBuriedbornesの完成は成し得ず、また現在の人気は得られず、Nussygameも存続していなかったと言えます。あのベータテストでいただいたあのフィードバック1つが私の2016年以降の人生を変えたとさえ言えます。この御恩は、どこかでお返ししたいです。


2016年 決算

2016年は、個人ゲーム開発者として非常に大きな意味を持つ年となりました。と言うのは、2016年の年収(≒営業利益)が、2014年に会社を辞めた年の年収(≒月給)に並んだのです。これはつまり、個人のゲーム運営で、被雇用者当時と同額の収入を得る事に成功した年となったわけです。

この水準を毎年維持出来るなら、それは個人ゲーム開発者として普通に生活していけるという事です。とても素晴らしい事ですが、飽きやすいユーザの皆さんを相手に絶えず新しくて面白いゲームコンテンツを提供し続けるというのは並大抵の事ではありません。来年も同じ水準を保てるか、確証はありません。

それでも、2年前の正月に個人ゲーム開発者として事業を立ち上げた時に志した”最初の目標地点”に到達した年として、大きな充足感を持って年を越せそうです。ただ、維持する事だけに満足せず、来年はより多くのユーザに、より高い品質のゲームを届けていきたいと思います。

あとこれはおまけですが、今はまだ安定した子育てを最優先するために個人事業主の形にこだわっていますが、子供があともう少し大きくなってきたら働き方の融通も利いてきますので、「一緒にゲームを作りたい」と考えてくださるゲームデベロッパ採用ご担当者さんがこの記事を読んでいらっしゃるなら、是非ご連絡ください。前向きに検討します。


2017年は…!? ちょっとだけ

Buriedbornesの次の大型アップデート(v1.5.0)の予定もほぼ確定しています。

v1.5.0は、「さらなる遊びやすさ」「プレイする毎に違う面白さ」にフォーカスしたアップデートになる予定です。

  • 通常のスキルとは効果や使用条件が変化する「アレンジスキル」
  • 高い性能と引き換えにデメリットがもたらされる「のろわれた そうび」
  • 最近死んだキャラクターと死因を見られる「しゅうごうぼち」
  • 敵スキル構成の大幅変更と、戦況を大きく変化させるボス専用スキルの導入
  • ”ただレベルが高い”だけでない、様々な特徴を備えた新エリートモンスター
  • 新サーバ導入による「ログインシステム」(端末移行コード発行なしで、ほぼ自動で端末間のアカウント共有が可能になるシステム)
  • 1プレイがより短く手軽に、対戦キャラ育成がしやすくなるようダンジョン・フロア構成の調整
  • ヴァルキリー、ドラグーンの入手緩和

そして、既存シリーズの新作タイトルリリースも予定しています。

2017年も、Nussygameをよろしくお願いいたします!

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