Buriedbornes 第28話 『ある術者の1日 (4) – “新しい夜明け”』 One day of a necromer chapter 4 – “New Dawn” 白々と太陽が夜の淵を染め、新しい朝がやってこようとする頃、屍体の兵士は美しい女性を抱きかかえて小屋に戻って来た。 「ダレン!」 待ち受けていたマルクが、ドアを開けてダレンを受け入れる。 魔法陣の向こう、椅子にもた... 2019.05.02 Buriedbornes
Buriedbornes 第27話 『ある術者の1日 (3) – “日暮れ”』 One day of a necromer chapter 3 – “Nightfall” 薄っすらと曇天の空は透けた月の光で淡く辺りを照らしている。 生き物のすべてが寝入ったような夜の底を『化け物』が上体を大きく揺らしながら歩いていた。 夜行性の動物達がいるはずの森の奥だが、その『化け物』のせいで逃げてしま... 2019.04.24 Buriedbornes
Buriedbornes 第26話 『ある術者の1日 (2) – “昼の陽光”』 One day of a necromer chapter 2 – “Daytime sunshine” ダレンが過去を思い出す時、それは必ずどこか甘い痛みと胸が張り裂けんばかりの後悔が込み上げる。 今よりも以前、ダレンもヘルマンも、彼らより少しだけ年少のマルクも、――そしてエミリアもいた頃の事。 まだ破滅の序曲に気付いて... 2019.04.17 Buriedbornes
Buriedbornes 第25話 『ある術者の1日 (1) – “朝の目覚め”』 One day of a necromer chapter 1 – “Morning awakening” Buriedbornesの術者の意識が屍体を離れ地上に還った後、肉体は一時的に主を失い無防備となる。 そのまま野ざらしにしておけば、死臭に誘われた魔物が這い寄り、次の目覚めまで保つことはまずないだろう。 そこで、術者が... 2019.03.11 Buriedbornes
Buriedbornes 第24話 『水と油の漂泊者《バガボンド》(4) – もう一度』 Opposite vagabonds chapter 4 – “One more chance” 魔術に精通した者達の間で、まことしやかに囁かれる噂。 しかし、それは噂ではなく、現実だった。 『不定形の怪物』が表立って目撃されるようになったのは、最近になっての事である。 屍者を冒涜する者共が至った境地、屍体を... 2019.02.21 Buriedbornes
Buriedbornes 第23話 『水と油の漂泊者《バガボンド》(3) – 何のため?』 Opposite vagabonds chapter 3 – “What for?” 世界の崩壊が訪れてから、長い歳月が過ぎ去った。 それでも、多くの人々が密やかにではあるがその営みを続けており、そしてまた、一定以上の規模のコミュニティであれば、当然新たな命を授かる事もある。 『崩壊後生まれ』は、生まれ... 2018.12.07 Buriedbornes
Buriedbornes 第20話 『月蝕夜殺人事件(4) – 解決です』 Case: Moon eclipse night murder chapter 4 – “Solved!” 嵐が迫っている。 屋敷の廊下を、苛立たしげに歩を進める者の影があった。 雨粒が窓を叩く音が、けたたましく鳴り響き始めている。 人物は、それまでの歩調とは打って変わって、そっと、音がしないようにキッチンの扉を開き、... 2018.11.28 Buriedbornes
Buriedbornes 第19話 『月蝕夜殺人事件(3) – 現場です』 Case: Moon eclipse night murder chapter 3 – “Crime scene” 昼過ぎにも関わらず空は雲に覆われて薄暗く、裏路地に至っては、街灯が灯る夜の表通りよりも暗く感じられる。 シュンがたどり着いた先は、街の外れ、中流階級の家屋が連なる住宅街のT字路に面した角の邸宅であった。 現在その門戸に... 2018.11.12 Buriedbornes
Buriedbornes 第22話 『水と油の漂泊者《バガボンド》(2) – 金のため』 Opposite vagabonds chapter 2 – “For money” 君主制都市国家が乱立した崩壊前において、税理士はどの国でも見られた一般的な職業であった。 大衆に限らず学問を履修できなかった多くの市民は数字計算に疎く、またそのために納税額を誤魔化す者は後を絶たなかった。 数学と対人交... 2018.09.21 Buriedbornes
Buriedbornes 第21話 『水と油の漂泊者《バガボンド》(1) – 俺を見るな』 Opposite vagabonds chapter 1 – “Do not see me” 一筋の光が、空に瞬いた。 光は尾を引いて空を舞い、やがて夜空の果てに消えた。 全てのはじまりはなにか? それを定める事は難しい。 病の蔓延が始まるまでには、1年以上の歳月を経ていた。 広がる病の真の恐... 2018.09.10 Buriedbornes