眠れない夜のゲーム

これはだいぶ前にもTwitterでつぶやいた事だけれども、個人でゲーム作りをしていくにあたって、自分の考え方をもう一度確かめる上で、文章にしておこうと思う。

学生の頃から、嫌な事や次の日に不安な事があるだけで寝られなくなる性分だった。そうして、そういう気持ちを抱えて夜中に体を起こして向かう先は、PCゲームだった。

終わって欲しくないけれど必ず終わる夜に、若い時分の私を慰めてくれたのは、DiabloシリーズのTristramのBGMだった。

心の拠り所とか、ストレスの発散先とか、安心を得る場所を”誰か”に求められない人は、”何か”に求めないと心の平衡を保てないのだと思う。誰にも縛られない、何にも縛られない、自分とゲームが向き合っているだけの時間。この時間だけは、人生のあらゆる不安から目を背けられた。

心躍る最高のエンターテイメントであることがゲームの本質である事は疑う余地もないけれど、私にとってゲームは、数えきれないほどの眠れない夜を慰めてくれた、大切な心の拠り所だった。

過去の人生で逃げ出したくなったたくさんの事も、ゲームと過ごした夜があったから、越えられたと信じている。

健全ではない事は自覚しているが、それでもなお、自分にとっては”そういうゲーム”が、心惹かれて止まないし、”そういうゲーム”を作って、誰かの、そして自分の心の慰めになれれば、と思っている。

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