はじまりに、天には神と魔とだけが在った。
神は、その身の内に万能の力を宿していた。
魔は、天や地にあまねく充ちた力を操る事ができた。
神と魔は互いの力の根源を否定しあい、争った。
神はその力を神具として具現化した。
魔は万物を根源とした魔物を生み出した。
やがて神が勝った。
魔は地に潜んだ。しかし、地上には多くの魔物が残った。
人類が生まれる以前、長い神の時代があった。
神は予見した来たるべき人の時代に備え、世界を人のために作り変える準備を進めていた。
豊かな地上の大地には古の残滓たる”魔物”が跋扈し、神でさえも不用意に天から降り立つ事には危険が伴った。
神は、地上で神の代行を行う無数の”使徒”を生み出した。
使徒は神の力の一部を授けられ、その力を行使して魔物を討伐し始めた。
多くの使徒には欠陥が伴ったが、それは人の原型として意図的に作られた姿であった。
神の使徒ホリィは多くの仲間がそうであるように、神にはない多くの欠点を宿していた。
強い”欲”に駆られたホリィは、神が育む果実を食べてしまい、神の怒りを買ってしまう。
代償として、彼女は『永劫の魔窟』へと左遷される。
彼女は恐るべき魔の軍勢を打ち払い、地上に人の来たるべき時代をもたらすための終わりなき戦いへと身を投じる。
※この物語はフィクションです。登場する名称・歴史・宗教等はすべて架空であり、実在のものとは関係ありません。